1. 祖父が元総理大臣で自身も総理大臣経験者は2名
2. 父、もしくは祖父が元総理大臣で自身は現役の国務大臣は3名
今回は世襲議員について、その人数、出自など気になり調べてみました。
ニュースなどでよく目にする世襲議員(引退するの議員地盤などを引き継ぐ後継議員)は、
衆参合わせて約100名だとわかりました。
その中でも、親族が元総理大臣で自らも総理大臣経験者は2名は誰もが知るあの議員です。
また親族が元総理大臣で現役の国務大臣も歯切れの良い演説でおなじみの議員です。
その他、親族に元国務大臣がおり、自身も国務大臣経験者6名も併せてご紹介いたします。
親族が元総理大臣×自身も元総理大臣
麻生太郎 副総理 兼 財務大臣 元総理大臣(第92代)
年齢:80歳
選挙区:福岡8区
当選回数13回 (在職39年)
志公会(麻生派)会長
出身大学:学習院大学政治経済学部卒業
祖父:吉田茂元総理大臣 (第45、48、49、50、51代)
日本の主権を取り戻したサンフランシスコ平和条約締結、いわゆる「バカヤロー解散」など
戦後の政界で中心的な役割を担った人物です。
戦後に総理大臣を一旦退任した後、再任した人物は、吉田茂と安倍晋三元総理の2名だけです。
また、葉巻をこよなく愛したことから「和製チャーチル」とも呼ばれました。
高祖父には明治維新の元勲、大久保利通も名を連ねています。
元総理大臣、現職大臣の肩書きは現役国会議員の中では群を抜いているのではないでしょうか。
今年で81歳になり去就も注目される麻生大臣ですが、今年の衆議院総選挙については、
不出馬のニュースも聞かれないので、現役大臣としても最後の選挙を戦われるのでしょう。
プライベートでは、クレー射撃の名手でモントリオールオリンピック出場した経験を持ちます。
また、愛煙家で特に葉巻を好んで吸っており、祖父の吉田元総理とも共通していますね。
マンガ好きも有名で、特にゴルゴ13を愛読していることを公言されています。
安倍晋三 元総理大臣 (第90、96、97、98代)
年齢:65歳
選挙区:山口4区
当選回数:9回 (在職28年)
出身大学:成蹊大学法学部政治学科卒業
祖父:岸信介 元総理大臣 (第56、57代)
大叔父:佐藤栄作 元総理大臣 (第61、62、63代)
首相在職日数3,188日は歴代1位となり、
歴代2位の桂太郎2,886日、歴代3位の大叔父佐藤栄作は2798日です。
父安倍晋太郎は、外務大臣、自民党幹事長を務めた重鎮ですが、
総裁選出馬直前に病死した悲劇のプリンスとも呼ばれています。
祖父で「昭和の妖怪」と恐れられた岸信介元総理大臣、
現防衛大臣の岸信夫は弟にあたります。
また、沖縄返還を果たしノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元総理大臣は大叔父にあたります。
総理辞任後は自身の考えについてメディアを通じて積極的に発信しており、
在任中は自らの発言が日本の考え方と捉えれてしまうため慎重になるのでしょうね。
妻は森永製菓社長令嬢でもあった安倍明恵夫人です。
趣味はゴルフで、アメリカのトランプ大統領とはゴルフ外交を展開したことは、
ニュースなどでも報道され皆さんの記憶にも残っているのではないでしょうか。
親族が元総理大臣または自民党総裁×自身は現役国務大臣
岸信夫 防衛大臣
年齢:62歳
選挙区:山口2区
当選回数:3回 (在職17年) ※衆議院9年、参議院2期8年
出身大学:慶應義塾大学経済学部卒業
兄:安倍晋三 元総理大臣 (第90、96、97、98代)
祖父:岸信介 元総理大臣 (第56、57代)
大叔父:佐藤栄作 元総理大臣 (第61、62、63代)
慶応幼稚舎からの生粋の慶應ボーイである岸大臣ですが、
もともと安倍家の3男として生を受けております。
生後まもなく、母洋子さんの実家である岸家の信和、仲子夫妻に子供ができなかったため、
養子に出されたのでした。また、大学進学の際に戸籍謄本を取り寄せた時、
その事実を知り「何で誰も教えてくれなかったんだと」大変ショックを受けたそうです。
大学卒業後は、住友商事に入社し食料調達で世界中を飛び回る商社マンだったようです。
その後、2004年の参議院選挙に45歳で出馬し、当選して以降2期務めた後、
2012年の衆議院議員総選挙に鞍替え出馬して、当選を果たしております。
小泉進次郎 環境大臣
年齢:40歳
選挙区:神奈川11区
当選回数:4回 (在職12年)
出身大学:関東学院大学経済学部経営学科卒業
コロンビア大学大学院政治学修士課程修了
父:小泉純一郎 元総理大臣 (第87、88、89代)
祖父:小泉純也 元防衛庁長官
兄:タレントの小泉孝太郎さん
妻:フリーアナウンサーの滝川クリステルさん
初入閣は38歳、当選4回での初入閣は46歳で厚生大臣として初入閣した父純一郎氏よりも早く、
初入閣議員の中で戦後最年少は、当時34歳の若さで経済産業大臣として入閣した小渕優子議員、
次いで37歳で郵政大臣として入閣を果たした野田聖子議員に続き、戦後3番目の若さです。
「キングメーカー」「今太閤」などの名称で呼ばれた田中角栄元総理の39歳をも上回ります。
コロンビア大学大学院を卒業後、戦略国際問題研究所(CSIS)非常勤研究員を経て、
父の私設秘書を務めた後、2009年の衆議院選挙に28歳の若さで出馬、初当選を果たします。
父純一郎氏から受け継がれた地盤(票田)、カンバン(知名度)、カバン(資金力)はベテラン、
若手議員問わず、大物政治家のような圧倒的な力を体現している世襲議員ではないのでしょうか。
河野太郎 内閣府特命担当大臣
年齢:58歳
選挙区:神奈川15区
当選回数:8回 (在職25年)
出身大学:ジョージタウン大学卒業 (比較政治学専攻)
父:河野洋平 元自民党総裁 (第16代)
祖父:河野一郎 元副総理
菅内閣で歯に衣着せぬ発言で連日動向が注目される河野大臣には、
いわゆる「河野談話」で知られ、親中、親韓の元自民党総裁の父洋平氏、
元自民党副総理、元自民党幹事長、春秋会(河野派)会長として、
昭和中期の政界実力者として君臨した祖父一郎氏がいます。
慶應義塾大学を2か月で退学した後、アメリカのジョージタウン大学に入学、
比較政治学を専攻しています。在学中にポーランドのワルシャワ大学に交換留学した際、
後にポーランド大統領になるレフ・ヴァウェンサ「連帯」議長宅を訪問し逮捕され、
一晩留置場で過ごし、翌日に保釈された経験を持っています。当時は共産党の独裁政権下で、
「大学の寮の食事は、ほとんど毎食、ジャガイモと酢漬けキャベツだけだった」と
当時を振り返っています。
親族が元総理大臣×自身は国務大臣経験者
中曽根弘文 元外務大臣
年齢:75歳
選挙区:参議院群馬選挙区
当選回数:6回 (在職35年)
出身大学:慶應義塾大学商学部卒業
父:中曽根康弘 元総理大臣 (第71、72、73代)
父康弘氏を語る上で有名なものとして三公社の民営化ではないでしょうか。
日本専売公社から現日本たばこ産業株式会社、塩事業センター、
日本電信電話公社からNTTグループ、日本国有鉄道からJRグループにそれぞれ
民営化されました。最大の目的は当時の社会党支援組織であった、
国労(旧国有鉄道労働組合)潰しにあると言われています。
また、外交や原子力推進政策も注目された政治家でしたが、
それはまた別の機会にご紹介できればと思います。
弘文議員は大学卒業後に旭化成入社した後、退社し父康弘氏の秘書となり、
1986年の参議院選挙に41歳の時、地元群馬選挙区から出馬し初当選しました。
その後、小渕内閣で文部大臣、麻生内閣で外務大臣を歴任しています。
小渕優子 元経済産業大臣
年齢:47歳
選挙区:群馬5区
当選回数:5回 (在職21年)
出身大学:成城大学経済学部経営学科卒業
早稲田大学大学院公共経営研究科専門職学位課程修了
父:小渕恵三 元総理大臣 (第84代)
父恵三氏は官房長官時代に行った「新しい元号は『平成』であります」が有名です。
また省庁再編に伴い、財務省、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、
国土交通省の省名を決めたのは小渕氏でありました。
「人柄の小渕」と評されるほど敵を作らないことでも有名だったようです。
小渕議員は、大学卒業後TBSに入社し3年勤め退社した後、父恵三氏の総理秘書官になります。
2000年に脳梗塞で父恵三氏が脳梗塞で倒れ急逝した同年の衆議院総選挙において、
26歳の若さながら出馬し16万票超を獲得、圧倒的大差で当選を果たしました。
また麻生内閣では、内閣府特命担当大臣として戦後最年少34歳で初入閣を果たしました。
日中、日韓議員連盟に所属し、中国、韓国との関係強化に努めています。
宮沢洋一 元経済産業大臣
年齢:71歳
選挙区:参議院広島県選挙区
当選回数:2回 (在職20年) ※衆議院議員当選3回(在職9年)
出身大学:東京大学法学部第2類(公法コース)卒業
ハーバード大学行政大学院修了
伯父:宮沢喜一 元総理大臣 (第78代)
父喜一氏は戦前に東大法学部卒業後、大蔵省に入省し、
後の総理大臣となる池田勇人の秘書官となります。
大蔵省を退官し、1953年(昭和28年)の参議院選挙に
池田の強い勧めもあり広島選挙区から出馬し当選しました。
その後、総理となった池田のブレーンとして「所得倍増計画」の一旦を担います。
喜一氏が総理大臣になったのは72歳と遅く、参議院議員経験者として初、
官僚出身の総理大臣として最後の議員となりました。
宮沢議員も東大法学部卒業後、大蔵省に入省し大阪国税局、
内閣総理大臣首席秘書官を最後に退官し、伯父の喜一氏が比例中国ブロックに回り、
地盤である広島7区を引き継ぎ当選を果たしています。
その後経済産業大臣、自民党税制調査会長などを歴任しています。
鈴木俊一 元環境大臣
年齢:68歳
選挙区:岩手2区
当選回数:9回 (在職28年)
出身大学:早稲田大学教育学部社会科卒業
父:鈴木善幸 元総理大臣 (第70代)
父の善幸氏は社会党出身者として唯一の自民党総裁であり、明治生まれ最後の総理大臣です。
選挙期間中に突然亡くなった大平総理の後を受け誕生しましたが、約2年の短命政権でした。
鈴木議員は大学卒業後、父と同じ全国漁業協同組合連合会で約10年勤めた後、父の秘書となり、
1990年の衆議院総選挙において引退した父の地盤を引き継ぐ形で出馬し、当選しました。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣、自民党総務会長などを歴任しています。
竹下亘 元復興大臣
年齢:73歳
選挙区:島根2区
当選回数:7回 (議員在職21年)
出身大学:慶應義塾大学経済学部卒業
異母兄:竹下登 元総理大臣 (第74代)
日本で初めて消費税を導入し、アメリカ産牛肉、オレンジの輸入自由化を決めた
人物として40代以降の世代の方々はご存じかと思います。
またタレントのDAIGOさんが孫であることも有名ではないでしょうか。
在任中はリクルート事件に自身も絡む形となり支持率低迷を招き内閣総辞職に
追い込まれた後も時の内閣誕生に影響力を発揮したともいわれています。
竹下議員は、大学卒業後、NHK入局し解説員などを務め、退局後に登氏の秘書に転じます。
2000年の衆議院総選挙に引退した登氏の地盤を引き継ぎ出馬し当選を果たしています。
2019年に食道がんだと公表して以降は、公の場に姿を見せるなど復帰に向けて
準備を進めていましたが、2021年7月に政界引退する意向を表明しました。
そのため、今年の衆議院総選挙に誰が後継候補となるのか大きな話題を呼びそうです。
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