1. 父が元総理大臣で自身は現役・元国務大臣経験者は2名
2. 父、もしくは親族が元総理大臣の議員4名
今回は60歳以下の世襲議員に絞って調べてみました。
前回もご紹介しましたが世襲議員(引退するの議員地盤などを引き継ぐ後継議員)は、
衆参合わせて約100名です。
中でも、親族が元総理大臣で自らも現役大臣、大臣経験者2名おり、
将来の首相候補と一部マスメディアでは喧伝されています。
また親族に元総理大臣がおり、地盤(票田)、カンバン(知名度)、カバン(政治資金)を持つ、
政界のサラブレットと呼ばれるような議員が4名います。
その他、親族が元国務大臣で、自身も国務大臣経験者など4名も併せてご紹介いたします。
親族が元総理大臣×自身は現役大臣または大臣経験者
小泉進次郎 環境大臣

年齢:40歳
選挙区:神奈川11区
当選回数:4回 (在職12年)
出身大学:関東学院大学経済学部経営学科卒業
コロンビア大学大学院政治学修士課程修了
父:小泉純一郎 元総理大臣 (第87、88、89代)

祖父:小泉純也 元防衛庁長官
兄:タレントの小泉孝太郎さん
妻:フリーアナウンサーの滝川クリステルさん
初入閣は38歳、当選4回での初入閣は46歳で厚生大臣として初入閣した父純一郎氏よりも早く、
初入閣議員の中で戦後最年少は、当時34歳の若さで経済産業大臣として入閣した小渕優子議員、
次いで37歳で郵政大臣として入閣を果たした野田聖子議員に続き、戦後3番目の若さです。
「キングメーカー」「今太閤」などの名称で呼ばれた田中角栄元総理の39歳をも上回ります。

コロンビア大学大学院を卒業後、戦略国際問題研究所(CSIS)非常勤研究員を経て、
父の私設秘書を務めた後、2009年の衆議院選挙に28歳の若さで出馬、初当選を果たします。
父純一郎氏から受け継がれた地盤(票田)、カンバン(知名度)、カバン(資金力)はベテラン、
若手議員問わず、大物政治家のような圧倒的な力を体現している世襲議員ではないのでしょうか。
小渕優子 元経済産業大臣

年齢:47歳
選挙区:群馬5区
当選回数:5回 (在職21年)
出身大学:成城大学経済学部経営学科卒業
早稲田大学大学院公共経営研究科専門職学位課程修了
父:小渕恵三 元総理大臣 (第84代)

父恵三氏は官房長官時代に行った「新しい元号は『平成』であります」が有名です。

また省庁再編に伴い、財務省、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、
国土交通省の省名を決めたのは小渕氏でありました。
「人柄の小渕」と評されるほど敵を作らないことでも有名だったようです。
小渕議員は、大学卒業後TBSに入社し3年勤め退社した後、父恵三氏の総理秘書官になります。
2000年に脳梗塞で父恵三氏が脳梗塞で倒れ急逝した同年の衆議院総選挙において、
26歳の若さながら出馬し16万票超を獲得、圧倒的大差で当選を果たしました。
また麻生内閣では、内閣府特命担当大臣として戦後最年少34歳で初入閣を果たしました。
日中、日韓議員連盟に所属し、中国、韓国との関係強化に努めています。
親族が元総理大臣×世襲3世議員
福田達夫議員

年齢:54歳
選挙区:群馬4区
当選回数:3回 (在職9年)
出身大学:慶應義塾大学法学部法律学科卒業
父:福田康夫 元総理大臣 (第91代)

祖父:福田赳夫 元総理大臣 (第67代)

父、祖父がそれぞれ総理大臣を歴任したのは議会制度が誕生した明治以降初となり、
その後継者である福田議員は将来の総理候補として有力ではないでしょうか。
も父康夫氏は官房長官時代から冷静沈着な風貌、言動で安定感のある一方、
冷笑的な態度、「あなたと違うんです」と首相退任時の言動などもあり、
国民には誤解されやすい政治家でしたが、総理在任中の外交成果については、
一定の評価を受けています。
祖父赳夫氏を形容するものとして、戦後最年長の総理大臣、
国民栄誉賞創設、日中平和友好条約調印、成田空港開港などがあります。
母一方でダッカ日航機ハイジャック事件では、実行犯である日本赤軍からの
身代金600万ドル(約16億円)、日本で服役、拘留中の日本赤軍メンバー9名の
釈放要求に応じたことで、テロリストの脅迫に屈したと批判を受けました。
「人命は地球より重い」と発言したことは当時有名になりました。
福田議員は大学卒業後、三菱商事に入社し主に調査部門に在籍していました。
その後、三菱商事を退社した後、父康夫氏の私設秘書、内閣総理大臣秘書官を
務めました。康夫氏が政界引退するのに伴い地盤を引き継ぐ形で、
2012年の衆議院総選挙に45歳で出馬し初当選を果たした。
今後は閣僚入りを目指し党役職、内閣副大臣クラスに抜擢されるか注目です。
中曽根康隆議員

年齢:39歳
選挙区:比例北関東ブロック
当選回数:1回 (在職4年)
出身大学:慶應義塾大学法学部法律学科卒業
コロンビア大学大学国際公共政策大学院修了
祖父:中曽根康弘 元総理大臣 (第71、72、73代)

父:中曽根弘文 衆議院議員 元外務大臣

祖父康弘氏は、死去時102歳48日の東久邇宮稔彦王に次ぐ最年長の総理経験者となり、
最高齢での首相就任者です。
の康弘氏の実績として日本専売公社(現日本たばこ産業株式会社、日本国有鉄道(現JRグループ、
日本電信電話公社(NTTグループ)の民営化です。
また長年半官半民であったフラッグキャリアの日本航空の完全民営化を推し進めました。
晩年はリクルート事件に絡み離党に追い込まれましたが、湾岸戦争では中東特使として、
当時のイラク大統領サダム・フセインと会談し日本人の人質全員解放を実現させました。
弘文氏は、慶応義塾大学商学部卒業、旭化成に入社15年勤めた後、
康弘氏の秘書に転じました。1986年の参議院選挙に出馬し、は当選しました。
森内閣で文部大臣を歴任後、「参議院議員の入閣は一度きり」とする慣例を破り
麻生内閣で外務大臣に就任した経験を持っています。
中曽根議員は慶應義塾幼稚舎(生粋の慶應ボーイ)から内部進学を果たし、
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、コロンビア大学国際公共政策大学院にて、
国際関係学修士号を取得しています。
余談ですがコロンビア大学では小泉進次郎環境大臣と同期だったのをご存じでしたか?
てJPモルガン証券勤務を経て父弘文氏の私設秘書として務めた後、
2017年の衆議院議員総選挙に比例関東ブロック単独30位で出馬し、当選しました。
野今年の衆議院総選挙では群馬1区から出馬を明言しており、
現群馬1区の佐田弦一郎議員も出馬の意志を変えておらず調整が難航しています。
こちらの候補者選びは注目の選挙区として結果を見守りたいですね。
橋本岳議員

年齢:47歳
選挙区:岡山4区
当選回数:4回 (在職13年)
出身大学:慶應義塾大学環境情報学部人間環境コース卒業
同大学院政策・メディア研究科修士課程修了
父:橋本龍太郎 元総理大臣 (第82、83代)

祖父:橋本龍伍 元厚生大臣、元文部大臣

父龍太郎氏の総理時代の象徴的なできごとは1997年の消費税3%→5%への引上げ、
正確には消費税3%→4%と地方消費税1%を含む、合計5%の引上げ実施です。
内増税の翌年から、日本は長期デフレーション(平成不況・失われた20年)に
突入したと評されています。
2001年の自民党総裁選に出馬した際も、自身の公式ホームページにおいて、
財政再建を急ぐあまり経済の実態を十分に把握しないまま消費税増税に踏み切り、
結果として不況に陥らせたことを謝罪していたようです。
晩年は日本歯科医師連盟からの違法献金事件に絡み、政界引退に追い込まれ、
その翌年に多臓器不全のため急逝されています。
祖父の龍伍氏は大蔵官僚を経て吉田、岸内閣で厚生大臣、文部大臣を歴任しますが、
龍太郎氏と同様に喉頭がんにより急逝されます。
後継には異母で高知県知事の大二郎氏に白羽の矢を立てますが、未成年であったため、
政治家になるつもりのなかった龍太郎氏にお役が回ってくる数奇な運命だったようです。
岳議員は大学卒業、三菱総合研究所で7年勤めた後、
2005年の衆議院議員総選挙にて父龍太郎氏の地盤を引き継ぎ、出馬し初当選しています。
その後2009年に落選の憂き目に合い、苦しい時代を乗り越えた後は連続当選を果たしています。
今後どの内閣で入閣してくるのか注目される議員の一人です。
鳩山二郎議員

年齢:42歳
選挙区:福岡6区
当選回数:2回 (議員在職5年)
出身大学:杏林大学社会科学部卒業
杏林大学大学院国際協力研究科博士前期課程中退
父:鳩山邦夫 元総務大臣・法務大臣

伯父:鳩山由紀夫 元総理大臣 (第93代)

祖父:鳩山威一郎 元外務大臣
曾祖父:鳩山一郎 元総理大臣(第52、53、54代)

鳩山家は小泉、福田家などと共に代々政治家家系として大変有名ですが、
特に元総理大臣を歴任した曾祖父の一郎氏、伯父の由紀夫氏です。
初めて政権交代をした民主党の初代総理となった由紀夫氏による発言は国際問題にもなりました。
普天間基地移設問題にて「最低でも県外」発言、また日米首脳会談時に当時のオバマ大統領に対して、
「Trust me」と伝えた翌日に「日米合意が前提ではない」と発言したことにより、
アメリカとの関係が冷え込む結果となったことは皆さんも記憶されているのではないでしょうか。
父邦夫氏は死刑執行命令を多く行った法務大臣として知られており、
朝日新聞から「死に神」と批判記事が出されるなど物議を呼びました。
しかし職務を全うしただけであると抗議が殺到し朝日新聞は謝罪に追い込まれました。
「友人の友人がアルカイダ」など現職大臣として物議を醸す発言が多かったことは、
伯父由紀夫氏(兄)と似たところがありますね。
二郎議員は大学院中退後、すぐに父邦夫氏の私設秘書として2年ほど働いた後、
大川市長選に立候補し、史上最年少で当選しました。
その後2016年に父邦夫氏の死去に伴う補欠選挙に市長の職を辞して立候補、
10万票を獲得し2位と大差をつけ当選しました。
今後はジバン(票田)を固め、カンバン(知名度)、カバン(資金)を背景に
当選を積み重ね、将来の閣僚候補となるのか注目です。
親族が総理大臣国務大臣・幹事長経験者
世耕弘成 元経済産業大臣

年齢:58歳
選挙区:和歌山県選挙区
当選回数:5回 (在職23年)
出身大学:早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
ボストン大学コミュニケーション学部大学院
企業広報修士号取得
伯父:世耕政隆 元自治大臣
祖父:世耕弘一 元経済企画庁長官
祖父、伯父がそれぞれ国会議員である政治家一族の中、
を世耕議員は大学卒業、当時の日本電信電話(NTT)に入社し広報関係の仕事に従事し、
語在職中にボストン大学コミュニケーション学部大学院に留学もしています。
る1998年に伯父の政隆氏が死去したことに伴う補欠選挙に出馬し、初当選しています。
その後安倍内閣で経済産業大臣を歴任するなど参議院の中心人物になっています。
中山泰秀 外務副大臣

年齢:50歳
選挙区:大阪4区
当選回数:5回 (在職15年)
出身大学:成城大学法学部法律学科卒業
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程修了
父 :中山 正暉 元建設大臣、元郵政大臣

祖母:中山マサ 元厚生大臣(女性初の国務大臣)

父祖母マサ夫人、祖父福蔵氏が夫婦そろって国会議員として活躍し、
マサ夫人は女性初の国務大臣として厚生大臣を務めました。
引退後は地盤を息子の正暉氏に譲り、その正暉氏は郵政大臣、
文部大臣を歴任するなど30年以上にわたり活躍しました。
その後、息子である中山議員に地盤を譲り引退しました。
長中山議員は大学卒業、電通にて3年勤務した後、
1996年の衆議院議員総選挙に父正暉氏の地盤を引き継ぎ出馬しましたが、
っ残念ながら落選、その後も3回連続で落選する憂き目にあいます。
その後2003年に比例復活で初当選し、外務大臣政務官を歴任しますが、
2009年に落選してまいます。その際パソナグループ代表補佐に就任します。
2012年の衆議院議員選挙では当選し国政復帰後は、菅政権で外務副大臣に就任しています。
武部新議員

年齢:51歳
選挙区:北海道12区
当選回数:3回 (在職9年)
出身大学:早稲田大学法学部卒業
シカゴ大学公共政策大学院修士課程修了
父:武部勤 元農林水産大臣

父勤氏と言えば、小泉政権時代に「偉大なるイエスマン」発言したことで有名ですが、
同政権時代に農林水産大臣も歴任しており、自民党の重鎮議員の一人ではないでしょうか。
武部議員は大学卒業、日本興業銀行に就職後、父の秘書になるため退職しています。
2012年の衆議院議員総選挙で父の地盤を引き継ぎ出馬し、初当選を果たしています。
当選回数を重ね、父と同様に時流に乗れるか注目ですね。
金子俊平議員

年齢:43歳
選挙区:岐阜4区
当選回数:1回 (在職4年)
出身大学:慶應義塾大学経済学部卒業
父:金子一義 元国土交通大臣

祖父:金子一平 元大蔵大臣
祖父一平氏は大蔵官僚から、国会議員に転身し、大平内閣では大蔵大臣を歴任しました。
引退後は息子の一義氏に地盤を引き継がれ、初当選から10回連続で当選を続け、
麻生内閣では国土交通大臣を歴任しています。
2017年の衆議院議員総選挙で息子の金子議員に地盤を引き継ぎ引退しました。
金子議員は大学卒業、三井不動産で5年勤めた後、父の秘書に転身した上、
2017年に出馬し、初当選しています。
今後は当選回数を重ね、将来頭角を現して閣僚入りするのか注目される1人です。
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