【自由民主党】10万票以上の組織票を集める巨大団体トップ5

業界別

  1. 日本医師政治連盟
  2. 日本看護連盟
  3. 全国郵便局長会
  4. 全国農政連
  5. 日本建設業連合会

 今回のシリーズは与野党の組織内候補の強さについて調べてみました。

 現在、与野党併せて13の関連団体が常に国会議員を輩出しており、全国郵便局長会を除き、

 全組織の会員数がそれぞれ10万人を超える巨大組織となっています。

 また解散がなく、政党名、候補者名両方の得票数の総数で当落が決まる参議院比例代表選挙に

 ほとんどの組織が候補者を擁立しています。

 自民党でも後述する4団体の強さが際立っていましたので、みなさまにご紹介いたします。

自由民主党

日本医師政治連盟 

会員数:約17万人

自民党に対して毎年全組織トップの2億円を献金している日本医師会の目的を達成するため、

必要な政治活動を行う組織です。歴代のトップは日本医師会会長です。

最近では緊急事態宣言下でのパーティー、会食報道で話題となった中川俊男会長です。

現在、2016年の参議院選挙で比例得票数約21万票を獲得した自見はなこ議員

2019年の参議院選挙で比例得票数約15万票を獲得した羽生田たかし議員をそれぞれ参議院に

送り出しており、資金力、集票力を背景に国の政策づくりにおいて多大な影響力があります。

また両者ともに2世議員として知られており、自見議員の父親は元参議院で郵政大臣も務めた

自見庄三郎氏、羽生田議員も父親である進氏が元参議院で実家も代々群馬で眼科を営んでいます。

出典

日本政治医師連盟:http://www.nichiiren.jp/?page_id=15

日本医師会:https://www.med.or.jp/jma/about/member.html

日本看護連盟

会員数:約20万人

日本医師連盟と同様に日本看護協会の政治組織として1959年(昭和34年)に設立され、

協会の目的達成に必要な政治活動を日々行っている組織です。

看護協会の会員数は約76万人ですが、そのうち約25%が加入している状況です。

日本医師会とは対照的に表立って目立つ発言や行動はありませんが、

現在、衆参合わせて4名の国会議員を輩出する巨大組織の一つとなっています。

衆議院には、当選5回の阿部俊子議員、当選2回の木村弥生議員がいます。

参議院には、共に当選2回の高階恵美子議員石田昌宏議員がいます。

高階議員は2016年に比例獲得票数約18万票、石田議員は2019年に19万票獲得しており、

会員数と得票数がほぼ合致しているといえます。

余談ですが、石田議員は男性看護師として初の国会議員となり話題となりました。

出典

日本看護連盟:http://kango-renmei.gr.jp/wp/wp-content/themes/kangorenmei/pdf/handbook-2018-1.pdf

日本看護協会:https://www.nurse.or.jp/home/about/koukai/index.html

全国郵便局長会

会員数:2万人 ( 直営郵便局20,000局)

会員数は日本医師政治連盟や日本看護連盟に比べ会員数は少なく見えますが、

2016年の参議院選挙において柘植芳文議員が比例得票数60万票、

2019年に徳茂雅之議員が比例得票数52万票を獲得しています。

これはそれぞれ自民党の全国比例得票数1位(特定枠を除く)を獲得したことを意味しており、

強固な組織票を持っていることの証左だと考えられます。

2005年に時の小泉内閣時に郵政民営化が問われた際には国民新党を支援していましたが、

改正郵政民営化法の成立を受けされたことにより、再び自民党支援に戻っています。

特定組織の目標達成と政治家の次回選挙で勝つこと(票を得ること)は表裏一体だと改めて思います。

出典

全国郵便局長会:http://www.postmasters.jp/index.php?a=about

全国農業者農政運動組織連盟 

積極的な会員数:約20万~30万人 (2~3%:比例投票者数 ÷ 全会員約1,000万人)

全国農政連はJA(農協)、農業関係者の目的を達成するための政治組織であります。

先ほど述べた積極的な会員数について、2016年の参議院選挙で藤木眞也議員が比例得票数23万票

2019年の参議院選挙では山田俊男議員が比例得票数21万票をそれぞれ獲得しております。

また2013年の参議院選挙では山田俊男議員が比例得票数33万票獲得しておりますので、

約20万人~30万人は必ず組織内候補に投票する人数、つまり積極的な会員数と推測いたします。

逆に残り950万人近くの会員は他の候補者、もしくは棄権している可能性を考えると、

全国郵便局長会と同様に組織票をまとめることがいかに重要であるか考えさせられます。

また、日本の投票率の低さは組織票の重要性を際立たせるだけではなく、

政治家自身が次の選挙で勝つために、特定組織の利益につながる行動を繰り返すことも特徴です。

出典

農協について:https://www.maff.go.jp/j/keiei/sosiki/kyosoka/k_kenkyu/pdf/5_nokyo_nitsuite.pdf

日本建設業連合会

建築や土木など一式工事を行う総合建設会社(ゼネコン)のうち、

全国展開している企業、約150社で構成される業界団体です。

会長は清水建設、副会長が鹿島建設と大手ゼネコン出身です。

全会員数は不明ですが、組織内候補2名の得票数をもとに推量していきたいと思います。

2016年参議院選挙において、足立敏之議員が比例得票数約29万票を獲得、

2019年参議院選挙では、佐藤信秋議員が比例得票数約23万票を獲得しています。

この結果から、およそ20万~30万人が中心に活動していると思われます。

出典

日本建設業連合会:https://www.nikkenren.com/about/kaiin.html

いかがだったでしょうか?

次回からは立憲民主党、国民民主党の議員を支援する労働組合をご紹介いたします。

最後までご覧頂きまことにありがとうございました。

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